張り替え・上張り・削り直し・コーティングなど、状態に合わせた考え方
床が傷んできたとき、「もう張り替えないとダメかな」と思う方は多いと思います。
たしかに、床の傷みが大きい場合や、下地まで傷んでいる場合は、張り替えが必要になることがあります。
ただ、床をきれいにする方法は、張り替えだけではありません。
今ある床の上から新しい材料を張る方法。無垢材の床を削って整える方法。表面をコーティングして保護する方法。一部分だけを補修する方法。クッションフロアやフロアタイル、長尺シートなどの材料で仕上げる方法。
床の状態や使い方によって、選べる方法はいくつかあります。
大切なのは、最初から「全部張り替え」と決めるのではなく、今の床がどんな状態なのかを見て、その場所に合う直し方を考えることです。
この記事では、床をきれいにする方法と、それぞれの考え方についてまとめます。
まず見るのは、表面だけでなく下地の状態です
床をきれいにしたいとき、最初に目につくのは表面の傷や汚れです。
たとえば、表面の傷、色あせ、へこみ、めくれ、水染み、きしみ、床の沈み、フローリングの表面はがれなどです。
こうした症状があると、部屋全体が古く見えることがあります。
ただし、床の工事では、表面だけで判断しないことが大切です。
表面が傷んでいるだけなのか。床の下地まで傷んでいるのか。水が回っているのか。床が沈んでいるのか。既存の床の上にさらに張れる状態なのか。
このあたりで、選べる工事方法が変わります。
表面だけの傷みであれば、補修や上張り、コーティングなどで対応できる場合があります。
一方で、下地が傷んでいたり、床がふかふかしていたり、水まわりから水が回っている場合は、表面だけきれいにしても長持ちしないことがあります。
床をきれいにする前に、まず「どこまで傷んでいるか」を確認することが大切です。
床は、張り替え以外にもきれいにする方法があります
床をきれいにする方法には、いくつかの選択肢があります。
大きく分けると、部分補修、上張り・増し張り、張り替え、無垢材の削り直し、塗装、ガラスコーティング、クッションフロア、フロアタイル、長尺シート、水まわり向けの床材などです。
どれが正解かは、床の状態、建物の使い方、ご予算、求める耐久性によって変わります。
大切なのは、最初から材料名で決めることではありません。
まず、今の床がどんな状態かを確認する。次に、その場所をどう使うのかを考える。そのうえで、合う方法を選ぶ。
この順番で考えることが大切です。
上張りできるかどうかは、下地と高さで決まります
床をきれいにする方法として、既存の床の上から新しい材料を張る方法があります。
これを上張り、または増し張りと呼ぶことがあります。
既存の床をすべて剥がさずに施工できるため、解体や処分を抑えられる場合があります。
そのため、工期や費用を抑えながら、床の印象を変えたい場合に選ばれることがあります。
ただし、どんな床でも上張りできるわけではありません。
確認したいのは、今の床がしっかりしているか、沈みやふかふかした部分がないか、水で傷んでいないか、床の高さが上がっても問題ないか、ドアや引き戸に干渉しないか、段差ができないか、見切り材をどう納めるかといった点です。
上張りをすると、床の高さが少し上がります。
そのため、ドアや引き戸、収納扉、玄関框、敷居、巾木まわりなどの納まりを確認する必要があります。
場合によっては、建具の下を少し調整したり、見切り材を入れたり、段差が気にならないように納まりを考えたりします。
上張りは便利な方法ですが、下地が悪い床に無理に重ねる方法ではありません。
今ある床がしっかりしているかどうかを見てから判断します。
薄い材料を使うことで、段差を抑えられる場合もあります
上張りをするときに気になるのが、床の高さです。
厚みのある材料を張ると、ドアに当たったり、段差が大きくなったり、敷居や玄関まわりとの取り合いが難しくなることがあります。
そのような場合には、薄い床材を使うことで、段差を抑えられる場合があります。
たとえば、薄型のフロア材や、フロアタイル、クッションフロアなど、場所や用途に合わせて選べる材料があります。
ただし、薄ければ何でも良いというわけではありません。
耐久性。歩いたときの感触。下地の凹凸の出やすさ。水まわりで使えるか。店舗や民泊のように人の出入りが多い場所に合うか。
そうしたことを見ながら選ぶ必要があります。
床材は、厚みだけでなく、その場所の使い方に合っているかが大切です。
無垢材の床は、削って活かせる場合があります
無垢材の床の場合は、張り替え以外に、表面を削って整える方法があります。
無垢材は、表面だけでなく中まで同じ木材でできているため、状態によっては削って傷や汚れを落とし、再塗装してきれいにできる場合があります。
これは、合板フローリングやシート系の床材では難しいことがあります。
無垢材ならではの良さです。
ただし、何度でも削れるわけではありません。
床材の厚み、過去に削った回数、傷みの深さ、水染みの状態、床の反りやすき間、下地の状態などを確認する必要があります。
また、削り直しは、木の質感を活かせる一方で、粉じんや養生、塗装の乾燥時間なども考える必要があります。
古い無垢材の床を活かしたい場合には、張り替える前に、削って整えられるかを見てみる価値があります。
コーティングは、傷んだ床を直すというより守る方法です
床をきれいに保つ方法として、ガラスコーティングなどの床コーティングを検討する場合もあります。
床コーティングは、床の表面に保護層を作り、傷や汚れをつきにくくしたり、掃除しやすくしたりするための方法です。
新しい床材を張ったあとに、長くきれいに使いたい場合に検討されることがあります。
また、既存の床でも、状態が良ければコーティングを検討できる場合があります。
ただし、コーティングも万能ではありません。
すでに床材が大きく傷んでいる場合や、表面がはがれている場合、水が回っている場合などは、コーティングだけでは解決できないことがあります。
コーティングは、傷んだ床を直すというより、状態の良い床を保護する考え方に近い方法です。
そのため、施工前に床の状態を確認することが大切です。
張り替えが必要な床の状態もあります
床をきれいにする方法はいくつかありますが、張り替えが必要になる場合もあります。
たとえば、床が大きく沈んでいる、下地が腐食している、水漏れや雨漏りで傷んでいる、既存の床が大きく浮いている、シロアリ被害が疑われる、表面だけでなく構造的に不安がある、何度も補修していて限界がきている。こうした場合です。
こうした場合は、表面だけを整えても長持ちしない可能性があります。
その場合は、床材を剥がして下地を確認し、必要に応じて補修したうえで、新しい床材を張る方が安心です。
張り替えは、費用も工期もかかります。
でも、下地から直す必要がある場合には、あとから困らないために大切な工事です。
無理に上張りや補修で済ませるのではなく、建物の状態に合わせて判断することが大切です。
水まわりの床は、材料より先に下地を見ます
洗面所、トイレ、キッチンなどの水まわりでは、床材選びに注意が必要です。
水はねがある場所。湿気がこもりやすい場所。配管まわりがある場所。便器や洗面台のまわり。掃除で水拭きをする場所。
こうした場所では、水に強い材料を選ぶことが大切です。
クッションフロアは、洗面所やトイレなどでよく使われる材料です。
費用を抑えやすく、水まわりにも使いやすい床材です。
一方で、場所によってはフロアタイルや、その他の水まわりに合う材料を選ぶこともあります。
ただし、水まわりでは、床材だけでなく下地の確認が大切です。
床がふかふかしている。水染みがある。便器まわりが傷んでいる。洗面台の下が湿っている。排水まわりに不安がある。
こうした場合は、床材を張る前に下地を確認する必要があります。
店舗や施設では、長尺シートを選ぶこともあります
店舗や施設では、一般住宅とは違った床材選びが必要になることがあります。
人の出入りが多い。靴で歩く。掃除を頻繁にする。椅子や什器を動かす。水や汚れがつきやすい。営業中の印象に関わる。
こうした場所では、耐久性や清掃性を考えて床材を選ぶ必要があります。
店舗や施設では、長尺シートと呼ばれる床材を使うこともあります。
長尺シートは、広い面積を継ぎ目を少なく仕上げやすく、清掃性や耐久性を考えたい場所で選ばれることがあります。
飲食店、保育施設、事務所、店舗、共用部など、使われ方によって合う材料は変わります。
見た目だけでなく、毎日の使い方、掃除のしやすさ、滑りにくさ、メンテナンスのしやすさまで考えて選ぶことが大切です。
賃貸や民泊では、見た目だけでなく管理しやすさも大切です
賃貸物件や民泊では、床材を選ぶときに管理しやすさも大切になります。
入居者様や宿泊者が変わる。スーツケースを引く。家具を動かす。清掃の頻度が高い。退去後や宿泊後に状態を確認する。
こうした使われ方を考えると、床材には見た目だけでなく、傷みにくさや掃除のしやすさも必要です。
賃貸物件では、費用を抑えながら印象を整える場所と、長く使えるように少し費用をかける場所を分けて考えることがあります。
民泊では、写真での印象に加えて、清掃しやすいか、傷が目立ちにくいか、宿泊者が安全に使えるかも大切です。
床は面積が大きいため、材料選びで空間の印象も管理のしやすさも変わります。
まずは、今の床を見てから考えます
床の傷みが気になったとき、いきなり「張り替えです」と決める必要はありません。
逆に、「上から張れば大丈夫」と簡単に決めるのもおすすめしません。
まずは、今の床の状態を見ることが大切です。
表面だけの傷みなのか。下地まで傷んでいるのか。水が回っていないか。建具や段差に影響が出ないか。どのくらいの耐久性が必要か。掃除や管理をどうしたいか。
そうしたことを確認したうえで、張り替え、上張り、補修、コーティング、床材の変更などを考えていきます。
再生建物株式会社では、床をきれいにする工事でも、まず今の状態を見て、活かせるところ、直すところ、張り替えた方がよいところを整理します。
そのうえで、住まい、店舗、賃貸物件、民泊など、使い方に合う床の整え方をご提案しています。
